マメシンクイガの発蛾時期の変動に関与する諸要因
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概要
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盛岡のダイズ圃場において1982∼1987年の6年間,7月下旬から9月中旬までの毎日マメシンクイガの捕獲調査を行った。成虫は7月29日から9月20日の間に捕獲され,8月11∼24日に50%捕獲日,8月10∼27日に最多捕獲日が見られた。捕獲数の曲線は,1世代の成虫からなると思われる発蛾数曲線を示した。日別の発蛾数曲線には年次により1山形,2山形等の変化が見られた。この発蛾パターンには気温の変動が影響するようで,平均気温の低下によって捕獲数は減少し,昇温によって増加した。蛹化は,夏至以後の短日化によって促進され,18∼45日後に蛹化開始すると算出された。6月下旬と8月上旬までの半旬ごとの平均気温と50%捕獲日との間には,負の相関関係が見られ,夏至以後の気温が高いほど,50%捕獲日は早まる傾向を示した。東北地方における発蛾期の地域別変動に及ぼす気象要因についても考察した。
- 1988-08-25
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