数学教育におけるマルチメディア教材の適応 : 映像・図形情報を用いた操作的活動の支援

概要

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小学校での幾何教育は図形の概念形成から始まる。図形の概念形成にあっては、具体的事象の中から図形を取り出し、具体的操作を行なうなかで、五感をとおして、図形の構成要素に着目させることが肝要である。こうすることにより、学習者は、多様な位置にある図形、多様な大きさの図形、多様な形を想起することが可能となるのである。次に、図形を描くなかで、描かれた図形が、条件を満たす代表としての図形である、という認識を持たせることが大切である。そのためには、定規、コンパス、分度器等、図形を描くための用具の使い方に習熟させることが必要である。図形の関係把握の学習の場では、図形の構成要素のうち、何と何が対応しているのかが、学習者にとって具体的であることが、学習を成立させていくうえでの前提条件であると言える。本研究は、このような考察をもとに、図形の概念形成の場、図形の作図指導の場、図形の関係把握の場等における、学習支援としてのマルチメディア教材の利用について試みたものである。
日本教育情報学会の論文
1993-07-27