理科教材を利用した数学科教材開発の研究
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概要
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本稿の目的は、中等学校における数学科と理科との関わりについて「数学的モデリング」の手法を用い、教材開発を行って両教科の位置付けについて模索したものである。ここでは、「自然科学の問題を活用した数学的モデリング及び数学科と理科の二面性」のモデルを提案する。このモデルの特徴は、数学科と理科の共通部分を大きく取り入れて、そこに「数学的モデリング」を適用させることにある。理科教材を利用した具体的な数学科としても取扱える例示した関数教材の中から、(1)測定点は常に連続量として関数を捉えさせる場合の工夫が必要であること、(2)一次関数において傾きが負となるものは温度減少や体積圧縮など少ない事例に限られること、(3)時間変化として関数を捉えるものが多いこと、(4)定義域に限界があり第1象限以外で現れる関数が考えにくいこと、(5)物体の運動以外の教材では系統性に乏しいことなどの特徴が得られた。又、提案したモデルにおいて、数学科とも理科とも区別されていない状況の中で、問題解決過程を辿ることは、生徒に既存の知識や能力を仮定したものではなく、スパイラル方式的な色彩も保っている。即ち、子どもたちにとって本来的な自然現象の現実世界を捉えさせ解決した上で、数学科的な指導と理科的な指導の二面性へと導く方式を辿ることで意義があると考えられる。更に、教育課程上の不整合性の問題もこのモデルによることで解決が図られる知見を得ることが出来た。
- 2000-10-14
著者
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