(11)まとめの問題づくりと発表を通じて体系的理解をうながす指導の試み : 「なぜそうか」を考える力・伝える力を伸ばして欲しい
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概要
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体系的理解を深めることは、教科指導上の大きな目標のひとつであるが、生徒は問題の解き方を知っていることが理解していることと考えがちである。本実践の目的は、生徒に自分の考えを表現する手段をいくつか提示し、生徒間でのやりとりと発表を行う場を設けることで、体系的な理解をうながし、学習意欲を高めることである。中学3年生5クラスでそれぞれ、生徒4人1組のグループをつくり、「ISM学習構造チャート」を用いた単元毎の構造化の後、数学1・A分野のまとめの問題づくりを行う。そして、r自分達はなぜその問題をまとめの問題として選んだか」を表現する場として、他教科担当者、保護者を招く形での公開発表会を行い、その経験をもとに作品集(数学、わたしはここがおもしろい)の原稿作成を行う形態をとった。その結果、(1)各個人でのまとめの学習に比べ、生徒間でのやりとりを通じた学習が可能になる(2)自分達がどの様な思考の流れをたどったかを第三者に対して表現する手段がより具体化される(3)数学という教科の特徴を他教科との関係や学校生活のなかでとらえようとする姿勢が顕在化する等の知見が得られた。
- 東京理科大学の論文
- 1998-10-01