(3)数学の有用性を実感させる指導の工夫
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中学2年の一次関数の単元において、生徒に数学の有用性を捉えさせることに重点をおいて教材と方法を検討し、実際に授業を実施した結果、次の点が明らかになった。(1)導入段階では、身近な自然事象を取り上げて実験を行い、その変化の数学的モデルとして一次関数の概念を作っていくことが、数学が現実世界に根差していることを理解する上で大切である。(2)応用段階では、現実の文脈の中に置かれた複雑な課題を、数学を使って読み解いていくとともに、数学だけでは解決できない場合もあることを知る体験が、数学の有用性を正しく理解する上で重要である。(3)現実の問題は生徒の意欲を喚起し、生徒は彼等自身の既有の素朴なモデルから出発して試行錯誤しながら考えていく。それが数学を自分でつくっていく過程である。(4)このような現実の複雑な事象を扱う上で、グラフ電卓や電卓実験室の活用が効果的である。
- 東京理科大学の論文
- 1997-10-31
著者
関連論文
- 現実の事象のモデル化を通して数学の有用性を理解させる指導の在り方 : 中学一次関数の実践から(論文発表の部)
- (3)数学の有用性を実感させる指導の工夫
- 地球環境問題と数学教育 : 中学の関数でフロン濃度変化をモデル化する授業の試み(6.教材開発(主として中学校),口頭発表の部)