発達保障をめざす施設設計の試み(<特集>脱施設化とインクルージョン社会)
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概要
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人が生きるうえで尊重されるべきは,1.命の重み,2.人権,3.死を迎えるまで発達し自立しようとする存在であること,4.ここで暮らしている安心感,である.それが実現できる施設はユニットケア(小規模,人間中心,個性重視,個別介護)によるグループホームである.生活障害者が「当たり前の暮らし」ができる普通の「家」,家庭的な環境の中で暮らす「家」であるグループホームのキーワードは「自立支援」である.そこで暮らす人たちが発達できる環境,安心感,自立した生活を送るためのケアでは,とりわけ生きる上で絶対に切り離すことのできない「食」およびその行為との関わりが重要である.食にまつわるさまざまな行為は五感をフルに使い,一人ひとりがもつ機能を常に刺激している.また,食卓を囲むことで,社会を経験する.このように「食」の環境は物理的な面だけでなく,精神的・社会的な面をも満足させられる,最も重要な環境である.障害者にとって「食べる意欲」は「生きる意欲」である.
- 全国障害者問題研究会の論文
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