動的経済における租税の厚生効果 : 人的資本モデルを用いた分析
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概要
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本稿は人的資本の蓄積を考慮した二部門内生成長モデルを用いて,各種の税が消費の成長率および経済厚生に与える効果を数値計算の手法を用いて分析する.まず,各税の税率変更に伴う消費の成長率の移行過程における態様分析の結果,いずれの税項目に関しても消費の成長率は税率変更後の新たな長期均衡における成長率とはかなり異なる率を経緯して時間的に推移することが明らかにされる.この結果は,均斉成長均衡の比較を行った従来の分析結果と対照的である.また,各税の増税に伴う厚生損失および各税がもたらしている厚生効果(各税が廃止された場合に得られる厚生利得)の分析の結果,それらは消費税および資本所得税に関してはあまり大きくないが,労働所得税に関しては大きいことが明らかにされる。
- 名古屋商科大学の論文
- 2002-07-01