自閉症スペクトラムとしての高機能自閉症・アスペルガー症候群の心理臨床学的問題(<特集>高機能自閉症とアスペルガー症候群)
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概要
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本論では、高機能自閉症ならびにアスペルガー症候群を自閉症スペクトラムとして位置づけることの妥当性、また、その研究上の意義について、臨床的な視点と基礎的な視点から論じた。スペクトラムとして理解する場合、アスペルガー症候群の研究の発展が自閉症の障害理解を発展させる上で重要であること、逆に、知的障害が重度の自閉症児の研究も、高機能自閉症やアスペルガー症候群の障害理解を深める上で重要であることを指摘した。このような観点から、高機能自閉症やアスペルガー症候群に関する研究の動向や課題について、心理臨床学的な観点から検討した。アスペルガー症候群の自閉症スペクトラムへの明確な位置づけにより、自閉症研究の新たな展開がみられるようになっていることを指摘するとともに、臨床的にはこの症候群に対する早期診断と教育の研究の発展が期待されることを指摘した。