A. H. CHURCHの間接費計算について(I)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
原価計算の発展についてA. H. Churchの残した功績は大きい。なかんづく,間接費配賦に関して科学的機械率法(Scientific Machine Rate)を提唱したことは,後の間接費の配賦問題に大きな影響を与えた。本橋では,かれの間接費計算論に関して問題とされるべき 1 間接費計算の部門化 2 間接費の配賦計算 3 間接費の構成要素 4 一般費および販売費 5 間接費予定計算と標準原価計算の項目のうちの最初の2項目について検討を加えた。前者については,発展史的にみれば,それまでの工場全体を一つの部門として単一の配賦基準を用いて間接費を製品に配賦する方法に代えて,工場を機能に応じた部門に分化し,部門別に間接費を計算して部門別の間接費として,各部門に相応した配賦基準を用いて製品に配賦する方法を採用し,より正確な製品原価を算定することを提唱し,一応の成功を収めた。後者については,予定配賦率を使用する結果発生する配賦差異を,かれは補充率を用いて製品に追加配賦する方法を提案するが,この提案はその後多くの反論に遭い,最終的には配賦差異を製造原価とする自説を改め,損失とすることを認めるに至った。しかし,発展史的にみれば,かれのこの主張も,それまでの予定配賦計算が見積原価の算定を目的としていたのに対し,原価管理,固定費管理を目標としたところに新しさがあり,以後の間接費計算論の展開への貢献は大きいものがあったことをが認められる。
著者
関連論文
- A. H. CHURCHの間接費計算について(I)
- 科学的管理法の管理会計への適用
- 科学的管理法と管理会計
- 利益差異分析についての若干の考察
- G.C.ハリソンの標準原価計算 : 標準利益差異分析の展開
- Whitmoreの標準原価計算について