乾燥施設のコストエンジニアリングに関する研究 : 混合貯留乾燥方式における籾入荷特性の影響
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概要
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穀物乾燥施設における新しい手順として混合貯留乾燥方式が提案されている。この方式は施設の低コスト化および高品質化に有効であることが報告され,すでに実際の施設を用いて試験も行われた。その結果,予期どおりの運転状態を示すことが実証されている。本報では,実際面への適用を想定して,設計された施設規模が安定しているか否かを検討した。その後,籾入荷特性が施設規模に与える影響を求め,その最適値を計算する方法を求めるとともに,より大きな低コスト化を考察した。(1)兵庫県の9ヵ所における乾燥施設の過去4年間の入荷状況を用いて,シミュレーションにより設備機器の組合せを計算した結果,同一施設においては,年度が変わってもほぼ同様であった。したがって,設計された施設で安定した運営が可能であることが確認された。(2)本方式では仕上乾燥機能力と貯留乾燥ビンの種々の組合せが可能である。そこでコストエンジニアリング的な考え方で,設備費の合計が最小となるものを最適な組合せとして選択することとする。(3)得られた仕上乾燥機能力は一日平均延べ乾燥量と直線関係が認められ,入荷特性から予測が可能となった。(4)仕上乾燥機能力を一定とした場合の貯留乾燥ビンの必要量は,一日平均延べ乾燥量と日入荷量の変動(標準偏差で表す)で予測が可能となった。(5)混合貯留乾燥方式はそれ自体が乾燥方式の低コスト化に有効であるが,均一入荷に近づけることによりさらに施設規模を小さくすることができる。
- 岐阜大学の論文
- 1989-12-25
著者
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