時間的に断面積が変化する冠状動脈攣縮の計算流体力学モデルの作成と,定常圧力を与えた場合の予備的計算結果
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概要
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本研究においては,冠状動脈攣縮のもたらす血流への影響について,計算流体力学を用いて検討した。モデルは,直円管で,その一部の壁が,時間に対して正弦的に75%および90%の狭窄を起こし,回復するというものである。壁変形と流れの関係は,始め,発達した流れを計算し,その後に,適当な時間間隔で計算モデルの形状を変化させ,モデルが変更される度に,その内部の流れを内挿しながら計算する手法で求めた。計算にあたっては,モデル直管の入り口と出口の圧力差を境界条件として与え,壁はすべて滑りなしとした。流体の物性は水のそれをもちいた。基礎方程式は,3次元非定常のNavier-Stokes方程式であり,有限体積法でこれを解いた。用いた計算コードはSoftware Cradle社製のSCRYU V1.4である。予備的な計算の結果,狭窄の程度と相関する流量の減少が認められた。興味深い現象として,狭窄が進行する過程では,ほとんど認められなかった狭窄度と流れの現象の位相差が,狭窄の回復時には,相当大きくなることが認められた。
- 東海大学の論文
- 1997-03-30
著者
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