幼児期における社会化の担い手
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概要
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保育所や幼稚園へ子どもを通わせようとする保護者の多くは(乳児やごく低年齢幼児を保育所に委託する場合は除いた方がよい),子どもが集団生活に慣れ,友達と仲よく遊ぶことが出来るようになることを期待している.特に子どもが小学校就学適齢期に近づいてくるとその期待が更に大きくなる.また,子どもの側から見れば,幼稚園就園適齢児は(3歳〜5歳)特に友達と遊ぶことに興味と関心及び期待を持つ傾向が強くなり,遊びに没頭し,その活動によって幼児なりの情緒的な安定が招来される.集団の中での生活を体験することによって大いに社会的な側面が発達する.しかし,その基礎が集団生活に入る以前の家族の一員として位置する時の個人的生活の中にもあることを明記しておかなければならない.また,集団の中に居れば社会性は育つものであるといった安易な考えは持つべきではない.これ等のことを調査や観察をもとに次のようにまとめてみた.1.社会性の発達には自立性の確立が大きな基盤のひとつになっている.従って,幼児,特に幼児前期においては生活習慣の確立が重要である.2.集団生活の中においては,活動的であることは望ましいことではあるが,その多少を問題にするのではなく,友人とのかかわりの中味(力学的関係)を考えることが大切である.時には,け^^^・ん^^^・か^^^・やい^^^・さ^^^・か^^^・い^^^・が起きたとしても全体的に見て,子どもの属する集団が,その子どもにとって,時には快い,安定して活動し生活し得るものを持っているかどうか留意する必要がある.3.社会性の発達を早急に求めるのではなく,それぞれの幼児の発育発達の状態を配慮し,性格や生活環境,要求水準等に適合する働きがけや,環境(人的・物的)の適切さを考える必要がある.以上,幼児の社会化の担い手は,家庭や保育所・幼稚園の中に多く存在することは言をまたないが,各々の担い手が,それぞれの立場において工夫や配慮が必要なことを強調したい.
- 名古屋女子大学の論文
- 1981-03-31
著者
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