被服の着装効果と顔の形態的因子との関係についての研究(第3報)
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概要
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被服の着装効果と顔の形態的因子との関係を導き出すための基礎的な研究として昨年度に報告した眉,眼に引き続き,今回は,鼻,口,顔型を取り上げ,官能検査を行った. 1.鼻の官能値 鼻の官能検査試料としては,本学短期大学生222名の鼻高,鼻幅の計測値を用いて分類した中で大,中,小の3種を選出し,それに鼻の穴の形態5種を組み合わせた15種を用いた.検査者は本学短期大学生105名とし,検査の方法は,眉,眼と同様SD怯で,両極性評定尺度は,最も強い〜最も弱いまでの7段階とした.その結果を数値化し,平均官能値を求めた結査,同じ穴の形態の場合,いずれも鼻幅が大になる程,強いという結果であった.また同じ鼻幅の場合では,鼻翼下端と鼻下点が同じくらいの高さにあり,鼻の穴が前面からやや見える形態が強いと答えている者が多かった. 2.口の官能値 口の官能検査試料は,口厚径,口裂長について標準偏差を求め,±3σを5段階に分けて類型化した中で,大,中,小を含む5種を選び出し,それらの形態に口角の上下を組み合わせた15種とした.検査の方法,検査者等は鼻の場合と同様である.検査の結果,得られた平均官能値によれば,口厚径,口裂長ともに大であり,口角の下った試料が最も強く,逆に口厚径,口裂長ともに小で口角の上った試料が最も弱いという結果であった.また,これらの口の各物理量がどの程度,官能値に影響しているかを検討するために官能値を従属変数,各物理量を説明変数として重回帰分析を行った結果,口裂長が最も大きく影響し,次に口厚経,口角の順であった. 3.顔型の官能値 顔型の試料としては,既報の研究により得た角,円,楕円,菱,卵,逆卵の6種の顔型を用いた.検査の方法及び検査者は,鼻,口と同様である.検査の結果,得られた官能値によれば,角型がかなり強いと答えられており,他の顔型はすべてやや弱いという結果であった.以上は,鼻,口,顔型の官能検査結果であるが,これらはすべて顔の形態的因子別に検討したものであるので,先に報告した眉,眼を加えて,第4報では,顔面全体の試料を用いて個性との関係を検討することにした.なお,本研究は日本家政学会第32回総会において発表したものである.
- 名古屋女子大学の論文
- 1981-03-31
著者
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