学校給食に関する栄養学的研究 : 給食中のカルシウム・リン等の摂取量の検討
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概要
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無機質の適正量摂取は,健康の保持増進や疾患の予防に重要な役割を有するが,学校給食の平均所要栄養量の基準には,Ca,FeとNa以外の無機質は考慮されていない。そこで,成長期の児童に実施されている学校給食での無機質摂取の実態を把握することを目的として,二校の小学校の連続一週間分(五日分)の給食に含まれる11種類の無機質含量を献立ごとに測定し摂取量の妥当性を検討した。 (1) Ca摂取量は488~657mg,P摂取量は295~680mgで,Ca摂取量1に対してP摂取量0.51~1.13であった。 (2) Mg摂取量は123~422mgで,Mg摂取量1に対してCa摂取量は平均2.69であった。 (3) Na摂取量は0.4~109g,K摂取量は0.3~1.0gで,K摂取量1に対してNa摂取量0.79~7.35であった。 (4) Fe摂取量は1.2~4.7mg,Cu摂取量は0.11~0.24mg,Mn摂取量は0.3~0.7mg,Zn摂取量は1.5~6.4mg,Cr摂取量は21~47μg,Pb摂取量は28~144μgであった。 (5) Ca,P,Mg,Na,Crは基準値を満たしていたが,他の無機物の充足率は低く,Fe,Kは基準値の1/2強,Cuは1/3,Mnは1/2,Znは2/3しか満たしていなかった。In order to learn the actual status of mineral intake from school lunches, we determined the mineral contents collected from elemenyary schools in Osaka Prefecture and Nara Prefecture. The intake was compared and studied with the recommended values. (1) Average rangeof mineral contents in a school lunch were ; calcium, 488~657mg ; phosphorus, 295~680mg ; sodium, 400~1.900mg ; potassium, 300~1000mg ; iorn, 1.2~4.7mg ; magnesium, 123~422mg ; copper, 0.11~0.24mg ; manganese, 0.30~0.70mg ; zinc, 1.5~6.4mg ; chromium, 21~47μg ; lend, 28~144μg. (2) The average ratio of calcium to phosphorus (weight basis, Ca. 1) were from 1 : 0.51~1.13. (3) The average ratio of magnesium to calcium (weight basis, Mg. 1) were from 1 : 2.69. (4) The average ratio of sodium to potassium (weight basis, Na. 1) were from 1 : 0.79~7.35. (5) While calcium, phosphorus, magnesium, sodium and chromium intake satisfied recomended intake, the intakes of other mineral were insufficient. Iron, potasium and manganese intakes was 50% of the recommended values.
著者
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山下 節義
奈良県立医大衛生学
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山本 信弘
大阪教育大学養護教諭養成課程
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山本 信弘
大阪教育大学教員養成課程保健体育教育講座教育保健学専修
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山下 節義
奈良医大・衛生
-
杉浦 渉
大阪府公衆衛研
-
石田 ユミ
大阪教育大学養護教諭養成課程
-
峰村 幸恵
大阪教育大学養護教諭養成課程
-
鳶尾 隆子
大阪教育大学養護教諭養成課程
-
若野 尚志
大阪教育大学養護教諭養成課程
-
杉浦 渉
大阪府立公衆衛生研究所
-
杉浦 渉
大阪府公衛研
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