日本人中学生・高校生の英語語彙学習方略 : 学習経験年数と性差の影響
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概要
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本研究の目的は1)日本人中学生と高校生が英語の語彙を学習する時に用いる語彙学習方略に対する意識(認識)の特徴はどのようなものか,及び2)英語学習経験年数の違いと性差が語彙学習方略使用の認識にどのような影響を及ばすか,を明らかにすることである。1999年7月上旬に日本人EFL中学3年生174名と高校3年生149名を対象にGu and Johnson(1996)の語彙学習方略の一部を使用し,柿崎(1999)の語彙学習方略を修正した計48項目を用いて英語学習経験年数(中学生と高校生)の違いと性差が英語語彙学習方略に及ぼす影響を検討した。その結果,日本人中学生と高校生に特徴的な語彙学習方略として4因子が抽出された。さらにそのうち2因子(「文脈・反復重視」と「興味・晴好優先」)の標準因子得点において英語学習経験年数と性別の交互作用が有意であった。また他の1因子(「単語のイメージ化」)においては,男女の違いによる影響があった。This study investigates Japanese junior high school and senior high school students' awareness of their vocabulary learning strategies to explore the effects of language learning experience and sex difference on their awareness or perceptions of their vocabulary learning strategies. The participants consisted of 174 Japanese junior high school students and 149 senior high school students. Using a five-point Likert Scale (1 = strongly disagree, 5 = strongly agree), the students judged forty-eight statements about their own perceived vocabulary learning strategies in June and July, 1999. The results revealed that four factors of vocabulary learning strategies were extracted through factor analysis. The results of ANOVAs on factor scores indicated that significant interactions were found betweeen language learning experience and sex difference for Factors I1 and IV. Factor I was affected by sex difference.
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