<総説>病院内の医療ガス事故
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概要
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病院内では様々なガスを使用している。医療ガスとは, 酸素, 窒素, 二酸化炭素, 亜酸化窒素(笑気), これらが混合されたガス, 殺菌ガス(酸化エチレンと二酸化炭素の混合製剤)があり, さらに圧縮空気, 吸引, 麻酔余剰ガスも含まれる。医療ガス供給設備には安全対策がとられているが, 事故は皆無でなく, 次のような事故例が報告されている。1. 中央配管と麻酔器との誤った接続, 麻酔器の取り扱いミス, 配管の設備不備などが原因で酸素が供給されない酸素欠乏事故2. 酸素ボンベのバルブを急速に開放する時に生じる断熱圧縮により高熱が発生し, パッキングに使用している合成樹脂の加熱分解かおこり, 有毒ガスが発生し, その有毒ガスによる中毒事故3. 酸素ボンベの取り扱い中に同様の断熱圧縮による高熱が発火の原因となり, また酸素ガスや滅菌ガスの使用時に発生する火傷, 火災事故過去における病院内の医療ガス事故例は, 同じような事故が繰り返し発生していることから, 事故発生時には, 原因に関る情報を早く公開し, 解決方法を早急に検討することが重要である。また, 医療ガスに関する知識を啓蒙し, 器具の操作, 取り扱いに関する教育を徹底することが必要である。
著者
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