菊花の粗フラボノイド配糖体による絹布の染色について
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概要
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キクの乾燥した頭状花は菊花, 白菊花又は甘菊など多くの名称がある。このものは漢方薬において副作用のない上品の薬に属し, 家庭薬としても重用されている。本実験では菊花による染色を研究するために菊花をアルカリ抽出し, 次いで塩酸で中和して粗配糖体を単離した。このものを乾熱乾燥又は凍結乾燥して染色剤とした。この染色剤の主成分はアピゲニンおよびアカセチンの粗配糖体でフラボノイド色素の一つである。絹布を菊花の粗配糖体で染色し, 更に媒染剤で処理した。その結果, 染布の日光堅牢度は全ての媒染剤について劣っていたが, 洗濯堅牢度や摩擦堅牢度は優れていた。絹布の日光堅牢度が劣っているのは, アピゲニンやアカセチン等の配等体が紫外線に非常に弱いということに起因していると考える。
- 1992-03-20
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