大きさの錯視における個人差の関係からのエビングハウス大きさ錯視の検討
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概要
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ブックレット法を用いてエビングハウス大きさ錯視の影響円の大きさと中心角を変化させた多人数実験で, 中心角が小さい場合に半径が大きくなると過小視に移行する群(過小視移行群)と過大視を維持する群(過大視保持群)の存在が報告されている.本研究はこの事実がブラウン管ディスプレイを用いた多人数実験でも得られるかという点と, 2群に分かれる要因を同心円錯視と影響円が1個のエビングハウス錯視(対比錯視)に見られる個人差との関係で検討した.エビングハウス錯視4条件(主円に対する影響円の直径比で, 2,1,0.75,3 : 中心角90度), 同心円錯視3条件(1.6,1.2,0.6), 対比錯視2条件(2,0.5)について極限法で錯視量を測定した(被験者96名).その結果, 過大視保持群では大きさの同化による過大視が大きく, 大きさの対比による過大視も大であることと, 過小視移行群では大きさの同化による過大視は効果を持たず, 対比による過小視が大であることがわかった.エビングハウス錯視の機制を考える場合, 主円と影響円が同大の条件の結果が重要である.上の実験結果からこの点も検討した.全体にどの錯視でも過大視傾向が強かったが, 同大の条件では過小視が33名で過大視が63名であった.同大条件と他の錯視の錯視量の相関係数を見ると, 同大条件で過小視の大きいものは, 同心円錯視(1.2,0.6)と対比錯視(2)の錯視が大きいことがわかった.
- 名古屋文理大学短期大学部の論文
- 1996-04-01
名古屋文理大学短期大学部 | 論文
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