***の歩行特性-ビデオ記録による観察
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概要
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健常成人の歩き方の特徴や個人差を捕らえ,その歩行特性がスカートやズボン着用時の歩きやすさとどのように関連しているのかを研究するために,女子大学生がトレッドミル上を歩行した時のビデオ記録を行った。動作解析プログラム(VMA)により,1歩行周期でのスティックピクチャーの動きから,上肢移動角度,膝関節角度,足関節角度の変化,重心X座標及びY座標,踵高,足先高の移動を解析し,歩行の特徴を明らかにした。主な結果は次の通りである。(1) スティックピクチャーにより,上肢移動角度,膝関節角度及び足関節角度の変化,重心及び踵高の移動に個人差のあることがわかった。(2) 踵が上がっている遊脚期の時間は,膝関節の接地時の角度,足関節の遊脚期角度,及び接地時の足先の最高値を示す時期と,正の相関を示し,遊脚期の時間が短い者はこれらの最高値を示す時間が短く,歩行速度が速いものと考えられた。(3) 歩行の特徴が関節の屈曲度や足部の高さに現れることを明かにし,標準化した上でこれらを変量として,主成分分析にかけて歩行特性の総合的な指標を求めた。累積寄与率は第1主成分から第3主成分までで約70%であった。(4) 膝を屈曲して歩行する者(I)6名,腰部より下方全体を使って歩く者(II) 14名,IIと反対に位置する,手の振りが大きく,重心X座標移動幅,及び足関節角度の変化の小さな歩行をする者(III)5名。IIとIIIの中間に属する者17名であった。今後,トレッドミル上を規制されて歩く場合と,自らの意志で通常歩いている状態の特徴と一致するのか,同一人における左右差の有無,着衣や履物を変えた場合の変化のしかたなどについて,実験を重ねていきたい。
- 1996-03-31
著者
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