給餌方法と内因性窒素量との関係について(第 2 報)
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概要
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前報に引き続いて,動物実験において生ずる摂食量の低下の解決法として強制給餌法を取り入れ,栄養試験にこの方法が適当であるかの検討を内因性排泄窒素量を測定してラットへの影響を調べた。本実験設定を5週令,10週令,12週令時から2週間ずつの3期間とし,幼仔期から成熟期にかけて実験を行ったものと,成熟期に実験を行ったものとから,幼仔期と成熟期との比較,本実験開始前のラットの状態の比較を行った。また自由給餌群では普通状態(練り)の飼料と強制食(流動)の比較,強制給餌群では通常量(多量)と減量(自由給餌群と同量)を摂取したものとの比較を行った。その結果は次の通りである。1)体重の変動からは,飼料摂取量の多い第3群(強制・通常量)が有意に良好な状態を示した。2)内因性排泄窒素量からは,給餌方法による差は見られなかったが,ラットの週令,実験実施日の違いにより有意差が見られた。3)体窒素量は第3群が有意にすくなかった。これは飼料状態による要因もあると思われるが,他の栄養成分の測定の必要性もあり,今後の検討としたい。以上の点から,強制給餌法によるラットへの影響はないものと思われる。ラットが好んで食する様な飼料内容の場合は自由給餌法で良いが,不喫食現象を生ずる様な場合は強制給餌法が適すると思われる。強制用飼料の調製方法を改良し,今後の実験に導入したい。本報告は日本家政学会第38回大会(1986)にて発表したもので,実験5・6は私学研修福祉会の研修助成金にて行ったものである。本実験は明石俊枝,桜井弘枝両氏の協力を得たもので,記して謝意を表する。
- 和洋女子大学の論文
- 1988-03-31
著者
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