家庭婦人バレーボール選手のスポーツ外傷
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概要
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本調査の結果を要約すると次のようになる。(1)外傷の発生 回答者の58.0%に外傷発生が見られ,その症例は453例に及んでおり,バレーボールは傷害発生の多いスポーツであることがわかる。外傷の種類は,捻挫が53.0%と過半数を占め,脱臼,筋痛,切創等は低率であった。部位は四肢に9割以上が集中的に発生しており,躯幹,顔面,頸部にはあまり見られなかった。このことはバレーボール中の筋活動が四肢を中心として行なわれていることを示すものである。また動作がジャンプやスライディング,回転レシーブをともなうために,捻挫及び骨折は足部と手指部に多く,打撲は各部に渡り見られたが特に肘と膝,筋・腱断裂は下腿部,特にアキレス腱に多発していた。このことはさらに発生原因においても,レシーブ時27.2%,着地時16.1%,ジャンプ時12.8%のような結果を招来していることになる。外傷の発生誘因となっているものは,不可抗力が29.1%で最も高かったが,その他は準備運動不足等の不注意によるものが多い。練習,試合中の外傷発生頻度は,練習中48.8%,試合中39.5%となっている。受傷後の処置に関しては,「すぐに出来る限りの処置をした」が34.9%であるのに対し,「何もせずそのまま運動を続けた」が35.1%とわずかに多い。このことは率の差としてよりも,救急処置に対する知識の欠如として指摘される。(2)治療と治療期間 回答者の65.6%は医師等の治療を受けており,期間は入院の場合,1ヶ月以内42.1%,次いで1ヶ月以上31.6%と重症例が認められた。また通院については,1ヶ月以内34.5%,2週間以内22.7%,1週間以内18.7%となっている。入院を要した19例に関しては,アキレス腱断裂が12例あり,その入院率は73.7%の高率となっている。外傷の予後に関しては,「完全に回復」25.6%,「ほとんど痛まない」14.8%であるのに対し,何らかの痛みの残るものが40%以上も占め,受傷後,長期間の受傷部障害の残存が認められている。練習中のサポーター・テーピングの使用は,「常時使用」26.3%となっており,予防のための対策があまりされていないようである。
- 1986-03-31
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