障害児の遊び : 重複学級の事例をとおして
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概要
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遊びは,子どもの総合的活動であり,遊びそのものが発達といえる。本論は,遊ぶことがより制限されていると思われる盲学校の重複障害児の学校生活場面における遊びを観察・分析し,発達初期の遊びに関する予備的研究として取り組んだものである。重複障害児(対象5名)の遊びをピアジェの遊びの段階に従って分類したところ,機能遊び・象徴遊び・規則遊びに整理できた。また,(1)障害の種類・程度に関係なく,どの子どもも,遊びを自発的に行っている。(2)発達段階に応じた遊びが行われた。(3)子どもが,各々の最も使っている感覚系を主とした遊びが多く発現した。(4)自閉的傾向児の固執性が社会性向上のきっかけになった例のあることが,明らかになった。今後の課題として,子どもの1日の生活の中で,どこに居る事が多いのか,誰とのかかわりが多いのか,また,時期・時間的な変化はないかなど,より細かく調べていく必要があろう。
- 1988-03-15