教育の場における保健指導のあり方(第1報) : 齲蝕予防の問題点
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概要
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養護教諭として, 学校における齲蝕に関する保健指導は, ただ一つenvironment factorに力を入れるいがいには無いのではないか.齲蝕の予防といえばすぐ「歯みがき」.保健指導といえば「歯をみがきましょう」「むしばを治療しましょう」という一言で全てが解決されていくような錯覚にとらわれている.「むし歯予防」そく「はみがき」疾病三要素を一つ一つとり払っていってはじめて対策が効を発する.学校という常時専門歯科医師のいない場面, 限られた場所, 限られた対象, 限られた期間では, やはりこの, 「はみがき」, 「はをみがきましょう」をとりあげる以外にはない.効果的, 継続的に, 出来れば齲蝕の予防を専門的に知識を得た歯科衛生士の資格を持つ養護教諭が, 現場でもう少し数多く活躍されることが現在のこの児童の90%以上もがむしばにおかされている状態からすくわれ, 一歩でも前進していくための方法ではなかろうか.もっとも, 児童, 生徒の保健指導, 保健管理をつかさどっている養護教諭にとっては, この齲蝕対策のみが役割の全部では決してない.が, 児童, 生徒の定期健康診断からは疾病第1位は, むし歯であり, 第2位近視と明確に示されているし, 第1位と第2位との差は大きい.児童, 生徒にこれだけの疾病傾向がみられることは, 成人をも含めたものとするならば驚くべき数となろう.齲蝕初期の段階では, 直接人体に大きな影響は及ぼさぬこととはいえ, 他国ではみられない我国の現象である.研究の次段階として, 齲蝕予防対策を具体化し, その予防効果について述べてみたい.
- 高知学園短期大学の論文
- 1974-04-01
著者
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