継続的口腔管理を受けた小児における齲蝕罹患の推移
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概要
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東北大学歯学部小児歯科で行なってきた口腔管理システムについて, 齲蝕予防の面から評価し, それらに検討を加えるため, 昭和56年から59年に当科外来を受診し, 第二大臼歯萌出完了まで年1回以上の定期診査を受けた患児60名(男児32名, 女児28名)について乳歯および幼若永久歯の齲蝕罹患状態を調査したところ, 以下の結果を得た。1)初診時における一人平均df歯数は, 同時期の昭和56年厚生省歯科疾患実態調査報告に比べ高い値を示した。2)定期診査時の一人平均d歯数は, どの年齢群においても0.5前後と昭和56年厚生省歯科疾患実態調査報告に比べ, はるかに低い値を示した。3)一人平均DMF歯率は増齢とともに漸増傾向を示したが, 特に12歳から13歳の間では著しい増加を示した。4)齲蝕の推移をDMF歯率でみると, 3歳開始群では10歳まで他の2群に比べ齲蝕の発生が抑えられていた。5)歯種別DMF歯率の管理中の経年的推移をみると, いずれの診査時においても下顎のみならず上顎も第一大臼歯が最も高い値を示した。6)管理開始年齢別にみた歯種別DMF歯率において, 3歳開始群では上顎の中切歯と第一大臼歯の齲蝕の初発が遅れた。一方4,5歳開始群では萌出直後より齲蝕に罹患し, しかもその後も急激な漸増傾向を示した。
著者
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山田 恵子
東北大学大学院歯学研究科発達・加齢保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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堀内 幸代
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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堀内 雅彦
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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神山 紀久男
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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真柳 英昭
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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山田 恵子
東北大学大学院歯学研究科発達加齢・保健歯科学講座小児発達歯科学分野
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