他者意図理解は教えられるだろうか? ; 発達障害児に対する課題遊び共同行為ルーティンを用いた「他児への援助行動」の学習可能性の検討

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養護学校小学部に在籍している9歳(MA5:2)と8歳(MA2:8)の発達年齢の異なるダウン症児2名を対象に､課題遊び共同行為ルーティン場面での援助行動の学習を通して他者意図理解の指導を試みた｡指導は年長児の年少児に対する｢援助行動｣が起こる場面を構造化し､段階的援助を行い､文脈における適切なやりとりを形成することを目的とした｡その結果､指導の初期には年長児は相手にたずねることなく年少児に援助をしてしまうことなどが多かったが､指導の進行に伴って､年長児は｢おしえてあげようか?｣と相手の援助欲求意図を尋ね､相手の応答を待つことが可能になった｡また､年長児では年少児の行為を尊重した教示､励まし､賞賛などがみられるようになった｡年少児も積極的に年長児に働きかけていこうとする姿勢がみられた｡しかし指導場面以外での援助行動の出現は限定されていた｡これらから､発達にあわせた適切な場面と指導目標､また大人の段階的援助によって他者の意図理解に基づいた援助行動を促進することの可能性が示唆されたが､より多様な場面での使用を可能にするためには日常生活場面での機会利用型の指導を併用することが必要であると考えられた｡
1999-04-08

他者意図理解は教えられるだろうか? ; 発達障害児に対する課題遊び共同行為ルーティンを用いた「他児への援助行動」の学習可能性の検討

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