かいあし類ノープリウス幼生の濃密分布層形成機構に関する研究

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海産仔稚魚の重要な餌料である,かいあし類ノープリウス幼生の濃密分布層の形成機構について,若狭湾西部海域における現場観測と室内における水槽実験を基に研究した。濃密分布層形成の季節変動および年間変動,形成分類群,濃密分布層形成と水温・塩分を中心とした物理環境および餌料分布との関係について研究するために,1985年5月-10月にかけて,ほぼ1回の定線観測を,1987年の6月と7月には,1985年と同じ定線観測および1985に観測されなかった沿岸域の数観測点での観測をおこなった。さらに,1988年から1989年にかけては,1985,1987,1988年に観測されなかった季節を補う,1観測点における月1回の観測をおこなった。濃密分布層形成に重要な役割を果たすと考えられる,かいあし類ノープリウス幼生の日周鉛直移動の有無を確かめるために,1985年に昼夜の比較定線観測をおこない,さらに1983年に1観測点における昼夜観測をおこなった。また,個体発生にともなう鉛直移動の様相を明らかにするために,1983年の昼夜観測資料の発生段階別計数を,さらに若狭湾の支湾である舞鶴湾において現場観測と得られた資料の同様の計数をおこなった。日周鉛直移動および個体発生にともうなう鉛直移動に共通する,かいあし類ノープリウス幼生の鉛直移動を制御する機構を明らかにするために,室内における水槽実験をおこなった。水槽実験では,水温あるいは塩分差による密度成層とノープリウス幼生の鉛直方向への移動との関係を確かめるために,密度成層を人工的に設定した水槽内のノープリウス幼生の移動を調べた。
近畿大学の論文
1996-03-31

かいあし類ノープリウス幼生の濃密分布層形成機構に関する研究

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