現代の女子学生の食生活の実態(第3報) : 肥満度別にみた健康状態および食行動
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概要
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女子短大生600名を対象に健康状態と食生活との関連について実態調査を行い次の結果を得た。(1)肥満とやせの判定表により対象の体格を評価すると64.5%の者がふつうで,22.5%の者がやせ(やせすぎとやせぎみ)に,13.0%の者がふとり(ふりぎみとふとりすぎ)に属していた。しかし体格に対する自己評価及び願望との関連づけを行うと,77.5%の者がやせたいとの願望を抱いており,対象のスリム志向が観察された。(2)痩せるために38.0%の者が食事に留意し,スポーツをするなどの努力を行っており,ふとりに属する者は,食事の量に注意し菓子など食べないよう心を配っていた。(3)対象の健康度は,同年代の者と比較し94%はより丈夫ないしふつうであると思っており,4%の者がもっと丈夫になりたいと願っていた。約53%の者が睡眠・スポーツ・食事に注意するなどの手段によって健康保持を心掛けていた。(4)不定愁訴発症率では,やせている者は「めまい,立ちくらみがよく起こる」(65.2%),「食欲がない」(31.9%)が高く,ふとっている者は「すぐ汗をかきやすい」(79.5%),「よく鼻血を出す」(15.4%)が他の2者よりも高かった。「体全体がだるく,つかれやすい」は肥満度に関係なく全体の68.8%で最も高かった。血圧の測定結果はいずれも正常範囲にある者が多いが,最高血圧はふとっている者の方が高く有意差(P<0.05)が認められた。最低血圧は,49mmHg以下の者がふとりの中にはいなかったが,やせの中には2.4%いた。やせとやや関係があるようである(P<0.10)。貧血は,やせている者(31.2%)に多く,ふとっている者(16.6%)の約2倍の高率であった。(5)やせの傾向にある者で,丈夫である者の食事の量は主食・副食共に多く,丈夫でない者は,副食の量が少なかった。食品の組合せに対する考え方では,丈夫である者では,考える者9.1%,考えない者12.5%に対し,丈夫でない者では,考える者は皆無,考えない者14.3%であった。食品の組合せに対する関心度は,丈夫な者の方が高かった。間食の取り方では,丈夫な者では,28.6%の者が間食をしないのに対し,丈夫でない者は7.1%と少なかった。一方丈夫な者では夜食をしない者19.6%,する者9.5%,丈夫でない者では,夜食をしない者7.8%,する者14.3%で丈夫でない者の方が間食及び夜食をしていた。(6)やせるための努力をする者は,しない者より食事の量が少なく,主食・副食共に制限をしていた。食品類の組合せを考える者はやせる努力をしない者に多く又考えない者も87.5%と多い。しかしやせる努力をする者も食品の組合せを考えていた。この組合せは,食事の量も少くするためのものではないかと思われる。一方やせるための努力をしない者は間食,夜食共に95%以上とっていた。(7)食欲のある者は,いない者に比べ食事の量が多くなっており,ふとりに属する者では,特に副食にこの傾向が現れていた。食欲のある者41.3%,ない者26.7%であった。一方食事に要する時間は,ふとり傾向にある者は,やせ傾向にある者より早く,特に遅い者はみられなかった。
- 1991-12-01
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