S-310-26 号機からの TMA 放出による中性大気風速の観測
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1996年8月21日0時30分(JST)に打上げられた観測ロケットS-310-26号機ではTMA(トリメチルアルミニウム)放出実験が実施された。本稿では, 観測された高度98∿134kmの中性大気風速の振舞いについて報告する。本実験はSEEK (Sporadic-E Experiment over Kyushu)キャンペーンの一環として行なわれたもので, ロケット打上げはスポラディックE層と沿磁力線イレギュラリティが発生している条件下で実施された。ロケットに搭載された圧力容器からのTMA放出と, 鹿児島県・宮崎県・高知県にわたって展開された4ヶ所の地上観測点のうち3ヶ所からのTMA発光雲の写真撮影に成功した。求められた風速は高度約105kmにおいて最大風速150ms^<-1>に達しており, その直下には非常に大きな風の鉛直シアが観測された。観測値から求めた大気のリチャードソン数から, 高度103km付近に不安定領域が存在することが明らかにされた。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
関連論文
- SEEK キャンペーンにおける DC 電場観測
- Kaバンド気象ドップラレーダによる霧観測
- 2063 大気境界層観測レーダによる風の観測
- 平面波合成法による成形ビームアンテナの最適設計
- SEEK キャンペーン観測期間の山川における中間圏風とスポラディク E 層の同時観測
- SEEK (Sporadic-E Experiment over Kyushu) キャンペーン : 観測ロケット S-310-25 号機, 26 号機を中心とした中緯度 E 領域イレギュラリティの総合観測
- 可搬型Lバンド下部対流圏レーダの開発
- S-310-26 号機からの TMA 放出による中性大気風速の観測
- インドネシア・スルポン(6°S, 107°E)において境界層レーダーにより観測された準4日周期の風速変動
- 車載型Sバンド境界層風速レーダーの開発
- アクティブ・フェーズド・アレイ方式による境界層風速レーダーの開発
- 赤道域インドネシアにおいてLバンド境界層レーダーで観測された海風循環と関連する大気現象
- S-310-25 号機搭載ダブルプローブによるスポラディック E 層中の電界測定
- MUレーダーと気象レーダーによって観測された梅雨前線近傍の降水雲に伴うメソβ〜γスケール循環
- MU・気象レーダーで観測した梅雨季低気圧近傍の鉛直流および降水雲の階層構造
- TOGA COARE集中観測期間にインドネシア・スルポン(6°S, 107°E)を通過した対流中心の境界層レーダー観測
- MUレーダーと境界層レーダーによる降雨粒径分布の二周波同時観測
- 35GHz帯マグネトロン雲霧レーダーのコヒーレント信号処理
- ゾンデ観測結果との比較による二重偏波レーダーの降水粒子識別機能の検討
- 寒季に東アジアで見られる鉛直流逆転の形成メカニズムについて
- 下部成層圏短波長擾乱と背景風速の関係 -特に数日スケールの変動について-
- MUレーダーで観測された梅雨前線近傍のローター循環
- 冬季の東日本上空・下部成層圏において1989-95年に観測された重力波活動度の経年および日々変動