強い輻射場のある場合のジェットプルームの拡散実験
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概要
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近年, レーザーに関する技術的発展に伴い, 光としてのレーザーの研究も盛んに行われるようになって来た。高エネルギーレーザー光の伝播に際し起るビームの発散現象などはその一例である。レーザー光が気体中を伝播する場合, 気体は何らかの過程をへてレーザーエネルギーを吸収し, 最終的にその効果は気体の熱運動の増加という現象として観測される。これは, レーザーのもつ光エネルギーと気体分子との間のエネルギー変換過程であり, 更には, このような熱吸収は気体の屈折率を変化させ, レーザー光の伝播に際してビームの発散という結果を生ずるのである。しかし, このようなレーザー光と気体との直接的相互作用の現象は, 流体力学的に見た場合, 気体流についてもその影響が観測される。すなわち, 気体の流れが強いレーザー光にさらされた場合, それらの影響は流れ場を直接的に変化させるのである。更には, レーザー光は空間的コーヒーレンス性能が高く, このことから従来の光では無視できた輻射圧の影響が観測できるものと思われる。本研究では, 連続発振のできる炭酸ガスレーザーを用いて高速気体の定常流とレーザー光との相互作用を, 電離真空計で流れの動圧を二次元的に計測することにより, 流体に着目し実験的に考察するものである。
- 宇宙航空研究開発機構の論文