<原著>ジンメルの「生」の本質と構造(2) : 生と文化【看護学】
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概要
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人間の発展は,生命的目的論の域を越えたところにあるとジンメルはいう。なぜなら,不随意的に調節された身体内部の諸機能とは異なり人間は自由だからである。自由である人間は生命的な目的適合性の段階から脱し,新しい範疇を求めていくことができる。すなわち創造的な生は,生に対して客観的であるような独自の価値をもつ諸形態-社会制度,芸術,科学など文化的所産を生み出していくのである。文化は生がたどらなければならない精神の自己完成の様式であるとジンメルはいう。しかしながら文化は,その内在的発展論理と法則性に従って独自の道を進み,生に奉仕するどころか,生が自らに奉仕することを要求するのである。個人が,例えどんなに多くの知識,熟練,洗練を得ようとしても,単に追加として作用するにすぎない。人間の発展は,固有の性質に従って,外部からとり入れることにより完成するのである。すなわち,主観的な心と,客観的な精神の所産が合して文化は成立し,生は豊になり,より高みへと導かれていくのである。
- 足利短期大学の論文
- 1997-03-15
足利短期大学 | 論文
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