Drosophila virilis の酸性ホスファターゼ・アロザイムの遺伝生化学的研究2 : アロザイム活性の系統内変異
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概要
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クロショウジョウバエ(Drosophila virilis)の自然集団から得られたAcph-2系統の間で, 酸性ホスファターゼ(Acph)活性に大きな変異が見出された。さらに, Acph-2遺伝子座領域をホモにした系統を作って比較した結果, これらの系統間でも活性に変異があることが明らかになった。高活性系統と低活性系統の交配実験では, F_1活性は両親の活性の平均値より低く, かつ, 部分的にではあるが, 低活性の母親の影響が強くあらわれることが示された。これらの結果は, Acphの活性はAcph遺伝子以外の細胞質又は染色体上の因子によって調節されていることを示唆しているが, 因子の本体については不明である。Acph活性は蛹化に伴って顕著になり, 羽化直後に最高に達し, 再び低下する。発生過程のこの変動は高活性系統につよくあらわれるので, 調節遺伝子は変態に伴ってAcph分子の生成に影響を与えることによって, Acph活性を調節していると思われる。
- 城西大学の論文
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