<論文>嗜好調査の安定性 : 特に老年者に対して
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概要
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青年,少年,老年期を対象に1ヶ月半〜2ヶ月の間隔をおき同じ嗜好調査を3段階あるいは5段階尺度を用いて実施し,その解答の安定性をみた結果(1)1回目と間隔(1ヶ月半〜2ヶ月)をおいた2回目の調査の間には正の相関がみられたが,老年期の食品の嗜好はやや弱い相関(r=0.5)となった。(2)1回目から2回目調査への解答変化は青年期より少年期,老年期に変化が大きい傾向にある。(3)老年期についで少年期に逆転解答(すき⇄きらい)した者が目立ち,これは比較的安定した解答者の中にも認められた。(4)青年期は中庸の「ふつう」の解答が老年,少年期よりやや多く,その意味で嗜好が安定している傾向もある。(5)老年期は聞き取り方式を用いたため,調査方法の差も考えられるが,時間と労力を要する割には調査に不安定要素が多く認められる。(6)5段階尺度においても少年期に不安定な解答が多い傾向がみとめられた。本研究の一部は第29回日本栄養改善学会で口頭発表を行ったものである。調査にご協力いただいた府立養護老人ホームたかわし寮栄養氏名倉純子氏および関係の方々に深謝いたします。又当研究の一部は昭和61年度堺女子短大教育研究助成金によるものである。
- 堺女子短期大学の論文
- 1988-03-31