畑多年性雑草ムラサキカタバミに関する生理生態学的研究 : I 鱗茎の形成深度と発芽・発生(農学部附属展場)
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概要
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畑多年性雑草ムラサキカタバミは沖縄における強害雑草の一つとされている。本研究の目的は色々な条件下にある沖縄の代表的土壌であるJaagaruとMaageにおいて, この雑草がどのような生理生態的特徴を示すかを調べることである。得られた結果は次のとおりである。1.両土壌における鱗茎の垂直土中分布は表層10cm以内に72%が分布し, 20cm以上になると2∿3%の分布にすぎなかった。2.親鱗茎一個当りの子鱗茎数はJaagaru土壌よりMaage土壌に多かった。3.出芽までの日数, 葉数及び子鱗茎数は深土に対して高い相関があり, またそれらの調査項目間の相関も高く, 特に葉数と子鱗茎数との相関係数はr=0.983と高かった。4.出芽・生育と土壌水位との関係は5cm区が最も良く, 水位が高くなるにつれて次第に悪くなる。湛水区では発芽は全く認められなかった。5.鱗茎重は0.1∿2.5gの範囲内にあり, 0.3gをピークとして対数正規分布の関係が認められた。6.0.3∿2.0gの鱗茎の一日当り発芽率は置床後4∿8日間で60∿80%であり, 短期間にかなり高い発芽率を示した。0.2g以下あるいは2.0g以上の鱗茎の一日当り発芽率は非常に低かった。
- 琉球大学の論文
- 1977-12-01
著者
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石嶺 行男
College of Agriculture, University of the Ryukyus
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高江洲 賢文
Institute for Agricultural and Biological Sciences, Okayama University