沖縄における大豆の生態調査 : 周年栽培による播種適期の選定(農学科)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者は1968年10月以降沖縄において大豆56品種を用いて周年栽培(毎月播種)を行ない, その生態調査を実施してきた。今回はその中から大豆の播種適期のことを中心にしてまとめてみたのでその結果を報告する。1.沖縄においては大豆の栽培は周年可能である。しかし播種時期の相違によって子実の収量に相当な開きがみられる。2.大豆の播種適期は1月から8月までの範囲にあるが, 適期の幅で品種を分類すると1月から8月までのもの, 4月から8月までのもの, 6月から8月までのものと三つの型に大別できる。しかし最後の型に属する品種の数は極めて少ない。3.多収の時期は4∿8月播きに集中しているように見えるが, そのことは後日再検討する必要がある。4.沖縄に導入された大豆品種は, 亜熱帯の気候風土のために適応性が大きくなり, 殆んどの品種が春播型, 中間型, 夏播型の三つの性質か, 中間型, 夏播型の二つの性質を発揮するようになる。5.沖縄では殆んどの大豆品種が夏播きに適合している。6.生育日数は春播型は短かく夏播型は長い。周年栽培での平均生育日数もその通りである。それで年間の平均生育日数を見れば大豆の生態型が判明する。7.大豆はその品種に最も適合しない時期に播種されたとき生育日数は最も長くなる。春播型では冬期に, 夏播型では春期に播種された場合に生育日数は最も長い。8.殆んどの品種の生育日数は初秋に播種されたものが最も短い。生育日数はその月に向かって漸減し, その月を過ぎると漸増していく。9.生育日数が最短である播種月に播かれた大豆の生態はどの品種でも100%近く順調であった。10.子実収量で最多収の月は生育日数が最短である月よりも2ケ月以上前の方に位置している。
- 琉球大学の論文
- 1971-12-01
著者
関連論文
- 琉球に適する大豆品種選定の研究 : 播種期別收量, 1 日当生産量, 生育日数(農学科)
- 亜熱帯沖縄での大豆の毎月播種による収量と生態的特性の推移
- 沖縄における大豆の生態調査 : 周年栽培による播種適期の選定(農学科)
- 大豆の収量に及ぼす施肥, 播種期, 移植の影響とその特性(農学科)
- 大豆品種の特性調査(農学科)