沖縄地方に分布する石灰質土壌の交換性塩基および陽イオン交換容量の測定法(農芸化学科)
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概要
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沖縄地方に分布する中性∿弱アルカリ性の石灰質土壌について, 交換性塩基量および陽イオン交換容量を測定するために, 先ず80%メタノールの塩化アンモニウム緩衝液(pH8.2)による測定法を検討した。この測定法は, 試料中の遊離の炭酸塩の溶出をかなり抑制し, 石灰質の土壌や試料の塩基飽和度をいずれも100%以下に抑制した。しかし, 交換性塩基類を原子吸光光度法および炎光分析法で測定する時, その分析装置の試料液を吸引する毛細管部分に好ましくない現象が, 経時的に見られた。一方は毛細管中の流速が減少して不安定になり, 他方は毛細管先端部に白色結晶化合物(恐らくメチレートの錯体生成物)が生成した。そのために多数の試料を連続測定するには不適当であった。次に, 80%メタノールの塩化アンモニウム緩衝液(pH8.2)による測定法に炎光分析法を導入するため, 交換浸出液を検討した。80%メタノールの塩化ストロンチウム(pH8.2)液による交換性塩基量は, 原法に比べて大略4me/100g程度大きい傾向を示した。また陽イオン交換容量は, 原法に比べ石灰質土壌では約4me/100g程度大きく, 酸性土壌では近似する傾向をそれぞれ示した。そして, 原法と同様に試料中の遊離の炭酸塩の溶出をかなり抑制し, 石灰質の土壌や試料の塩基飽和度をいずれも100%以下に抑制した。新しく提案する測定法の概略と操作手順は, Fig.5に示した。新しく提案する測定法では, 石灰質の"ジャーガル"やその母材の"クチヤ"および"島尻マージ"の交換性塩基類は, Caが約70∿95%を占め, それらの陽イオン交換容量は大略22∿30me/100g, 塩基飽和度は80∿99%をそれぞれ示した。また, 酸性の"国頭マージ"の交換性Caは1me/100g前後, 陽イオン交換容量は10∿18me/100g, 塩基飽和度は18∿26%をそれぞれ示した。
- 1983-11-19
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