<原著>シネフェーズコントラスト法による中脳水道髄液流の分析 : Maxwell term phase errors校正の新手法とフーリエ解析の有効性
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概要
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磁気共鳴画像におけるフェーズコントラスト(PC)法を応用した中脳水道髄液流の分析は古くより行われているが, Maxwell fieldsに起因するvelocity imageのバックグラウンドに対処した研究報告はみられず, 従来法の精度や再現性は満足できるものとは言えない。筆者らはMaxwell fieldsの影響を相殺する方法としてOpposite directional flow-encoding technique(ODFE法)を提案してきたが, 今回は基礎実験として本法の低流量測定における有効性をファントム実験により検証した後, 正常(Norm)群8例, 脳室拡大(VD)群6例, 特発性正常圧水頭症(INPH)群8例, 症候性正常圧水頭症(SNPH)群6例, 脳萎縮(AT)群7例を対象にODFE法を併用したPC法で中脳水道髄液流速データを収集し, それらをフーリエ解析により分析した。結果は以下の如くである。(1)ファントム実験の結果, ODFE法を併用したPC法によれば, 低流量を高い精度と再現性で測定できることが判明した。(2)ODFE法を併用したシネPC法とフーリエ解析によって得た中脳水道髄液流の時間速度曲線の評価にはabsolute flow rate(AFR), low frequency index(LFI), high frequency index(HFI)の3つのフローパラメータを用いたが, それらの値は関心領域(ROI)の面積に影響されず, ODFE法の妥当性とフローパラメータの普遍性が確認された。(3)INPH群とSNPH群ではAFRが著しい高値を示し, それらの診断に有用なパラメータであることが示された。一方SNPH群のLFIはNorm群やINPH群よりも有意に低値を示し, INPHとSNPHの髄液動態の差が示された。(4)VD群ではLFIおよびHFIのいずれもがNorm群のそれらよりも有意に高く, 中脳水道を通過する髄液流の平滑さが何らかの原因で妨げられていることが推察された。(5)AT群のHFIはNorm群よりも有意に高値を示し, 脳実質の硬化と動脈硬化に基づく高周波振動の混入がその原因と推察された。またATとINPHとの鑑別はAFRとHFIから容易と考えられた。
- 広島大学の論文
- 2002-02-28
著者
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