地震のメカニズムからみた南極プレート内の応力場
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概要
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地震のメカニズム解を用いて南極プレート内の特徴的な応力場を抽出した。その結果, 1) Bellingshausen海, 2) Juan-Fernandezマイクロプレート南方沖, 3) Balleny島近傍, 4) Kerguelen島地域, で特徴的な結果が得られた。近傍のリッジ押しのみによって4地域の観測事実を説明するのは困難である。このうち1), 2) での応力場はこれまでリッジ押しで説明されてきたが, データ量の増加とリッジ押しのイメージが明確になったことから, 少なくとも近傍のリッジ押しのみでは応力場は説明できない。3) での地震の起震応力場は, トリプルジャンクション近傍の変形や後氷期地殻変動が震央域を押してやることによって説明可能である。4) では正断層の地震が起こり, ホットスポットなどによる熱応力が重要になる。応力源の特定には定量的モデル化が必要である。大陸内, 大陸縁における応力場は地震が少なく明確な議論は現状では困難である。
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