南極, ベストフォードヒルズのバートン湖(塩湖)におけるDrepanopus bispinosus(橈脚類)の呼吸量の季節変化におよぼす諸要因(英文)
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概要
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東南極の塩湖に生息するかいあし類の一種Drepanopus bispinosusの雌成体の冬季および夏季の酸素消費量を測定した。測定は種々の水温, 塩分, 溶存酸素量, および餌濃度の実験条件下で行った。呼吸量は水温の上昇とともに増大するが, とくに, 生息水温(0±2℃)から致死水温(13.1℃)範囲で顕著な呼吸量の増大がみられた。8月から12月にかけての呼吸量のQ_<10>値は1.65-1.89の範囲にあったが, 1月には3.11-3.32に増大した。通常の生息塩分濃度(37.2-39.5‰)で呼吸量は最も低く, それより高塩分あるいは低塩分で増大した。溶存酸素量および植物プランクトン濃度もまたある程度呼吸量の変化に影響をあたえているらしいことが推測された。8月から1月にかけてD. bispinosusの雌成体の呼吸量は連続的に減少する傾向を示した。この呼吸量の減少は繁殖期には繁殖活動の結果によるものであり, 繁殖期以降は老衰による生理的機能の低下に起因しているものであることが示唆された。
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