ポーラー・パトロール・バルーンによる1991年のオゾンホール観測計画(英文)
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概要
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第32次南極地域観測隊によって実施される三つのポーラー・パトロール・バルーン(PPB)実験のうちの一つとして, 昭和基地(69°S, 40°E)から1991年9月に, 南極オゾンホールとして知られる南極大陸上空のオゾン層の破壊現象を観測するための気球が放球される。オゾン, エアロゾル, 温度のその場(in situ)での観測を, 南極大陸上空50hPa(約18km)を浮遊する気球の軌跡に沿って, 約10日間行う。この観測の動機は以下の通りである : 極域成層圏雲(PSCs)は冷たい極域下部成層圏で形成されるエアロゾルから成ること;冬の後期あるいは春の初期のオゾンの減少(南極オゾンホールの一側面)が, PSCs表面で起こる不均一系化学反応過程によると考えられていること。オゾン減少は50hPaの高度で顕著であり, PPBはこの高度を浮遊して, ラグランジュ型の観測を行うことができる。従って, PPBによるオゾン観測は, オゾンの化学的ソース/シンクの大きさを, ほかの型の観測に比べてより直接的に測ることができるという利点を持つ。エアロゾル観測器は, エアロゾルの粒径分布を, 0.4-10μmの間を7分割して測るので, PSCsの微物理および化学についての詳細な情報を与える。データ取得および気球位置決定はARGOSシステムを使用して行う。ゼロプレッシャー気球の高度は, オートバラストシステムによってほぼ一定高度に維持される。
- 国立極地研究所の論文
- 1991-07-30
著者
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