南極半島アンバース島氷冠における流動速度,熱収支,質量収支 (英文)
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概要
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南極半島のアンバース島氷冠において, 1982年夏季に雪氷学的調査を行った。氷厚は重力値から計算により, 表面質量収支は2地点の積雪層位観測から求められた。平衡線高度は海抜180mと推定された。キャンプ1(標高474m)における熱収支の計算結果によると, 夏季12日間では, 氷河表面の受熱量と放熱量とはほぼ等しく, 主な受熱源は短波放射収支, 放熱源は蒸発潜熱と長波放射収支であった。この観測期間中, 少量の融解が起こっていた。深さ11mまでの掘削コアには, 数枚のアイスレンズが観察され, 融解水の再凍結が生じていたことを示す。表面質量収支分布をもとに, 46.5(km)^2の地域における質量収支を算出した。その結果, 6×(10)^<13>g・a^<-1>の正の質量収支が得られた。この結果は, 1965-1967年の同観測域を含むアンバース島氷冠における見積もり結果とほぼ一致した。
- 国立極地研究所の論文