Ice Algaeの繁殖を支配する条件としての日射と海氷下面の安定度 (英文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
海氷の藻類による着色は, 昭和基地周辺で秋と春の2回起こる。中緯度にあるサロマ湖のトエトコでも冬期に着色現象が認められる。昭和基地の秋の着色現象とトエトコの着色現象の起こる環境には共通点があるように思われ, 主要環境条件と考えられる両地方の日射量と海氷下面の安定度とを比較検討した。昭和基地の秋の藻類増加は3月始めから3月末までの間に, トエトコでは1月末から2月末までの間に起こると考えられる。この時期の日射量は1500∿2500cal/(cm)^2/10daysで, 両地域に差が認められない。また, 昭和基地では, 10日間の平均気温が-6°から-9℃で, 海氷の成長も溶解もほとんど認められず, 海氷下面は安定していた。トエトコの気温は昭和基地よりやや低めであるが, 昭和基地との差は少なく, 海氷下面は安定していたと考えられる。さらに, 藻類の増殖に直接関与する海氷下端に達する日射量を測定した。透過日射量の雪面日射量に対する割合は, 海表面の雪の多少により, 4∿36%と変化した。
著者
関連論文
- 第23次越冬隊海洋生物観測(BIOMASS計画)報告1982
- 第16次南極地域観測隊越冬隊報告1975-1976
- 昭和基地近くの海氷下で観察されたParalabidocera antarctica(橈脚類)の集群について(英文)
- 昭和基地で採取した南極産紅藻Phyllophora antarctica の長期培養
- 昭和基地付近における2ケ所のアデリーペンギンルッカリーにおけるペンギン個体数の変動(英文)
- Preface
- BIOMASS 計画における日本の活動(英文)
- 14. 南極ブライド湾及びグンネルス堆で採集された原始腹足目貝類について(平成 3 年度総会(鳥羽市)研究発表要旨)
- 40. 昭和基地付近及びブライド湾で採集されたベッコウタマガイ科貝類の分類学的研究(平成 2 年度日本貝類学会総会研究発表)
- Ice Algaeの繁殖を支配する条件としての日射と海氷下面の安定度 (英文)
- 昭和基地沿岸定着氷域におけるアイスアルジーおよび植物プランクトンの基礎生産量の見積もり(英文)
- 私がいまだに付着生物学会会員である理由
- 南極昭和基地で実施した沿岸海洋生態系研究(英文)
- 元国立極地研究所長 永田 武先生を悼む
- 元国立極地研究所長永田武先生を悼む〔含 肖像〕
- 北極海海氷域における基礎生産とエネルギー移動の時系列的変動の研究(PREFLA計画)(英文)
- 第28次南極地域観測隊夏隊報告1986-1987
- 第23次南極地域観測隊越冬隊報告1982-1983
- サロマ湖(塩水湖)におけるice algae による着色海氷(英文)
- 南極リュツォ・ホルム湾におけるウェッデルアザラシの航空機による個体数調査(英文)
- ウミタカスズキ(Notothenia rossii marmorata FISCHER)幼魚の摂餌行動
- 海氷下動物プランクトン採集器"NIPR-1"について〔英文〕
- リーセル・ラルセン半島の新コウテイペンギンルッカリー