極域におけるオーロラヒス放射の到来方向測定
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概要
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オーロラの発光と良い相関を持って受信されるVLF帯自然電磁波(オーロラヒス)の到来方向を測定することは, オーロラヒスの電離層透過点を探知し, その発生, 伝搬の研究を行う上で重要である。筆者らは, 従来の電磁界解析の1点観測法とは異なり, 3点でヒスの到来時間差を計測し到来方向を測定する方式を新たに開発した。この時間差法は, ヒスの波形, 偏波特性に影響されず高精度測定が可能であり, また, 時間差計測法として, ヒスの相互相関を演算するのでVLF帯空電による妨害を軽減でき, 測定の信頼度を向上させることができた。本方位観測システムは南極昭和基地内の1点と, そこから約20km離れた2点とで構成され, 2系統の2GHz帯テレメータをデータリンクとして用いている。受信された3観測点の信号の相互相関関数は, 高速データプロセッサにより, リアルタイムに計算され, ヒス到来方向がただちに求められる。ヒスの到来方向観測結果とオーロラ全天写真とを比較することにより, ヒスの到来方向はオーロラ発光領域の活動的な部分とよく一致することが分かり, 今後のオーロラヒスの研究に貴重な資料を得た。
- 国立極地研究所の論文
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