<原著>作業所利用中の精神障害者の生きがい
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概要
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地域在住の精神障害者の生きがい感の程度と生きがいを支えるものを明らかにする目的で,同意の得られた東京都北東部の小規模作業所利用中の精神障害者30名を対象に質問紙調査を,16名を対象にインタビューを実施した.質問紙調査ではPurpose in Life日本語版(PIL)により生きがい感の程度を測定した.平均得点は評定基準では「低」の範囲内に含まれた.対象の過半数は「しばしばなぜ生きているかわからなくなる」「世の中は生きにくい」と考えており,過去受容に関する得点が低かった.未来受容と現在受容に関する得点は高く,仕事および趣味が主な未来目標であった.インタビューのデータからは生きがいを支える要素として,自己価値を認識できる他者の存在,生存・生活のゆとり,本人の意志・行動,障害者理解が抽出された.精神障害者が生きがいを形成,実現するには,未来受容(未来目標)を接点に働きかけることと,生きがいを支える要素を強化することが示唆された.
著者
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