グレアム・グリーンのThe End of the Affairにおける無意識下のヒロイズム
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概要
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Graham Greeneの中期四大小説,またはカトリック四部作と称せられるのは,Brighton Rock(1938),The Power and the Glory(1940),The Heart of the Matter(1948),The End of the Affair(1951)である。特に最後のThe End of the Affairに関しての評価は,批評家以上に読者に於て高い.その原団は,当時Greeneが試みた手法の効果に負うところが大きい。Victor de Pangeに代表されるフランス系の批評家の間では, The End of the Affairはカトリックの見地から賞讃されたが,出版以来三十余年が経過した現在では,護教文学ではないGreene作品の意義が再認識されている。常時追随する「カトリック作家」という名称の不適切さを主張するGreeneは,作品中で一般人の生きざまを描写したのである。十九世紀的技法と現代小説の結合,としてRichard Kellyがグリーン論で考察するThe End of the Affairに於いても,他の作品と同様,作中の中心人物Sarah MilesとMaurice Bendrixの苦悩が重要な役割を果たす。本論では,主人公が保持する"unconscious heroism"の問題を,Sarahの日記に着目し分析することにより, The End of the Affairの苦悩の意義を追求する。
- 1987-03-31
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