<論文>父親の育児支援に影響を与える要因について

概要

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本調査は育児不安の緩和・促進に大きな影響を与えると言われるソーシャル・サポートのうち父親の育児支援と育児情報の取得源について,母親や子どもの物理的条件との関係について検討した。調査対象はW県内の保育所に通う児童の母親1057名に対して実施され,有効回答数は709名であった。調査結果は以下の通りである。1.父親による育児支援には,道具的サポート,情緒的サポートの偏りはみられない。2.育児情報の取得源はより身近な知人や保育所に求められやすい。3.育児時間は母親は父親の約3倍の時間を費やしている。母親は子どもが増えるにつれて育児時間が増大するが,父親は逆に現象する。4.有職の母親は専業主婦に比べ,正社員で3時間,パートタイムで1.5時間育児に費やす時間が少なくなっている。以上の点から,父親の育児支援の種類は父親自身の要因が大きいこと,育児情報としての友人・知人の比率の大きさが肯定・否定の両面が起こりうること,専業主婦の方が育児不安が高いと言われる背景に育児時間の長さが関わること等が明らかとなった。