<論文>明律上に於ける女性の地位(二) : 唐律と比較して
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概要
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信愛紀要第十四号以来,唐律上に於ける女性の地位の主題のもとに,妻・母・妾・賤人女・尼女冠と発表をつづけたが,昨年よりは唐律上での女性の地位が,唐律を引き継ぎながらも時代の変化した明に於て,律上での扱いでどう変化しているかを比較してみる必要があることから,それを主題にしたが,今回のは昨年の母・妻妾につづくもので,やはり妻妾を中心として論をまとめたのである。唐律を貫らぬくのは礼教であり,明律でもそれを継いでいるが,一般に家庭内の犯罪は明律では更に厳しくなっている。それ故妻妾の夫や夫の祖父母への犯罪は唐律より特に厳しい処罰を受けているし,その反対の場合は処罰が軽減されている。妾は妻より低く扱われるのは唐律と同じである。妾の処罰は妻より加重されるし,妾への犯罪は大きく軽減される。唐律には妻と妾の間に〓という,妻が婚姻のとき連れて来た女性もよく出てくるが,明律では殆んどみない。処罰の加重・軽減の方法は唐明律共に同じであるが,明律には宋代にはじまった最高刑「凌遅処死(一挙に殺さないで,ゆっくり殺す)」があり,女性もその適用を受けている。なお引用文はこれまでは原文のまま出していたが,今回より読み下し文に改めている。
- 和歌山信愛女子短期大学の論文
和歌山信愛女子短期大学 | 論文
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