<報文>あめ類中の食用タール色素の定量
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概要
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藤野らの方法による色素の定量は,従来のペーパークロマトグラムを切りとり色素を抽出し,吸光度をはかる方法にくらべ,非常に迅速で簡便な方法であった。本実験で使用した日本のあめ類中,使用頻度の高い色素は,昔色4号と青色1号であった。赤色2号と赤色104号は検出されなかった。食用タール色素の含有量は,輸入あめ類より少なく,赤色102号を最大に添加したH社ドロップの場合でも,輸入品の約1/5であった。最大に添加されてた黄色4号(35.17ppm)の場合,体重20kgの子供が1回に1,600,000個のあめを喫食した時,マウスによる致死量に相当するから,急性毒性としては安全量といえる。赤色3号を最大に添加していたH社ドロップを2,840kg2年間連日喫食すると,ラットによる成長抑制の場合に相当するから,慢性毒性についても安全量といえる。しかし,本実験で検出された赤色106号のように,FAOやWHOでADI(1日の安全基準量)の評価をうけていないものもあり,今後各色素の毒性について再検討するとともに,使用量を早急に制定する必要がある。
- 和歌山信愛女子短期大学の論文
和歌山信愛女子短期大学 | 論文
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