ヒト水晶体における新規蛍光物質の同定
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概要
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原著論文ヒト水晶体における新規蛍光物質の同定について検討した.材料は老人性白内障核で,褐色白内障核(褐色核)と非褐色核に分けて比較した.蛍光物質の3HK-Glc,キヌレニン,DHKN-Glcの含有量は両者間で有意差はなかったが,未同定の蛍光物質(Fl-Glc)が褐色核で著明に増加していた.非褐色核由来の低分子分画を長期静置すると未知の蛍光物質(Fl-X)が著明に増加した.HPLCによるFl-GlcとFl-Xの比較では,異なる二つの条件下で両者の保持時間は一致し,両者の蛍光ピークはβ-グルコシダーゼ処理で消失し,両者は同一物質であると結論された.質量分析ではFl-XのMWが367で,そのアグリコンのMWは205と推定され,Fl-XのアグリコンのHPLC上の保持時間はキサンツレン酸(MW205)のそれと一致し,Fl-X(=Fl-Glc)はキサンツレン酸のβ-グルコシドであると推論した.また,3HK-GlcにPLPを添加し長期静置すると,Fl-Glcと同一保持時間の蛍光物質が著増することより,非酵素的に生成されるものと考えられた
- 金沢大学の論文
- 2001-12-20