ブドウ種子ポリフェノールのフリーラジカル捕捉活性 : 酸性域における熱安定性とコンニャクの試作
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概要
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酸性pH領域におけるブドウ種子ポリフェノール(GR-S)のDPPHおよびAAPHラジカル捕捉活性の熱安定性をアスコルビン酸(AsA)と比較検討した。 両ラジカルに対するIC50値を比較したところ、GR-S、AsAともにAAPHから発生するヒドロキシラジカルをDPPHラジカルより強く捕捉することが判明した。GR-Sはラジカル種に関係なく捕捉活性をAsAより強く発現し、優位性が示された。pH4.0においてGR-Sは、DPPHラジカル捕捉活性に対する熱安定性に優れており、100℃5時間処理後もほとんど活性を減少しなかった。一方、AsAは温度上昇につれて活性が減少し、100℃5時間処理では90%以上その捕捉活性を消失していた。中性からアルカリpH領域に比べて酸性pH領域においてAsAは比較的安定であったが、GR-Sに比べると不安定であった。また、AAPH由来ヒドロキシラジカル捕捉活性に対する安定性に関して、GR-Sは、37℃5時間経過後もほとんどその捕捉活性を失活させなかった。一方、AsAは3時間まではその活性をほぼ維持していたが、5時間経過後では約40%その活性を失っていた。DPPHラジカルに対して、AsAは37℃5時間処理で約20%捕捉活性を減少させたが、ヒドロキシラジカルはその約2倍である約40%も活性を減少させていた。 以上のことよりGR-SはAsAに比べて安定性に優れた抗酸化剤であり、今後、各種加工食品への用途開発が期待される。
- 大阪樟蔭女子大学の論文
- 2004-03-06
著者
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