<原著>糖尿病性神経障害に対する寒冷負荷による神経生理学検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
糖尿病患者の末梢神経機能異常の早期における病態を明らかにすることを目的として, 臨床的に神経障害を示す糖尿病患者(DM+群)と示さない患者(DM-群)および年齢を一致させた健常者について, 手指寒冷負荷を用いて正中神経知覚伝導機能ならびに皮膚血流量を検索した.寒冷負荷前の測定ではDM+群では神経伝導速度, 活動電位振幅ともに健常者と差がみられたのに対してDM-群では差異がみられなかった.寒冷負荷中では, DM+群の伝導速度の低下率が低く, またDM群何れにおいてもSAPの低下率が低く虚血抵抗性が認められた.また健常者では負荷後の反応性振幅増大がみられたが, DM群では軽度であった.さらに健常群では寒冷誘発血管拡張反応がみられたが, DM群では欠如していた.回復過程では健常群はSAPと同様前値を大きく上回る血流増大がみられたが, DM-群ではその反応は遅れ, DM+群ではみられなかった.糖尿病では早期より末梢循環障害が存在すること.また神経障害が虚血抵抗性および虚血後の反応性増大の減弱として早期より発現していることを明らかにした.
- 近畿大学の論文
- 1997-12-25
著者
関連論文
- 滋賀県でみいだされた近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチーの臨床報告
- 前・中大脳動脈閉塞に発展した isolated angiopathy of the central nervous system の1症例
- 11.Patlak plot法を用いた^Tc-HM-PAOによる脳血流定量測定と臨床応用
- 3.糖尿病患者における磁気刺激による中枢伝導時間の検討
- 2.糖尿病患者における寒冷負荷法を用いた末梢神経機能・末梢循環の検討
- 9.慢性アルコール摂取に伴い多彩な神経筋症状を呈した1例
- 6.臨床的に神経障害のない糖尿病患者における寒冷負荷による感覚神経活動電位の変化について
- 糖尿病性神経障害に対する寒冷負荷による神経生理学検討
- 内分泌・代謝疾患に伴う神経障害について (臨床神経病学) -- (内科疾患に伴う神経症状)
- 糖尿病性神経障害の自律神経機能評価